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茶色い人's ダイヤリーア

薬学生の現実逃避日記です。

考えない男×考えすぎる女

「A子って可愛いよね!」

 

「別にそんなことないよ~(可愛い?私が?それって嫌味?あなたいつもそうやって思ってもいないのに、こんにちは、とかお疲れ様です、とかいい天気ですね、みたいなノリで可愛いね、って言うの?イタリア人ナンパ師気取りなの?自分の容姿のレベルなんて、自分が一番わかってるに決まってるの。例外はない。もし自分のこと可愛い可愛い言う女がいたら、それは本当に可愛いか、可愛いと言い聞かせているの。本当に可愛い子なんて言われ慣れてるし、あんたに言われなくても可愛いことぐらいわかってる。可愛いって言われて喜ぶのなんて後者くらいなんじゃない?自分が可愛いと思いたくて仕方がない人。もしかしてあなた本気で女が『可愛い』って言われればなんでも喜ぶと思ってた?え?私の容姿レベル?そうね、例えば合コンがあったとするでしょ。4対4。私のほかに、B子、C美、D恵がいて、B子は誰から見ても美人、C美はやれそうな丁度いいブス、D恵は女芸人枠。じゃあ私はなんだと思う?私はただの人数合わせ。顔が整ってるとか、散らかってるとか、そういうのじゃなくて、なんかパッとしなくて絶妙にそそられないの。こっそり裏で進行してる『D恵はまあ置いておくとして(笑)B子ちゃんは美人だよな、でも俺C美ちゃんのほうが好きだな!』みたいな会話の中ですら触れられない。しかもそれでいて、盛り上げ役にもなれない。女芸人枠にしては散らかってないし、そもそもそんなスキル身に着けてこなかったから。普通に生きてきたから。というより、周囲に普通でいることを強要されてきた。目立たないことを宿命として生まれてきた。なぜならパッとしない顔だから。パっとしない私がパッとすることをするとどうなると思う?変な空気になるの。だから常識をわきまえた、控えめな言動をするの。わかる?)」

 

「それに頭もいいし。」

 

「そんなことないってば~(頭がいい?確かにお前みたいなやつよりはマシな脳みそしてるかもしれないけどね、別にそんなこと誇りにもなんとも思ってないから。東大にでも行ったっていうならそりゃ少しは誇れるでしょうけどね、いつも私の周りには自分よりできる人間が山ほどいた。真面目に勉強すればそこそこの点数が取れたけど、それも大抵学年二桁に留まるくらいで、担任には褒められたけど別にこれといって自慢するようなことでもなかったわ。頭がいいってそもそも何?勉強ができること?知識が豊富なこと?やたら論理的に、口語では普通出てこないような語彙ばかり使って話すこと?ところで頭がいいって言われて『えへへやったーうれしー!』ってなる人は果たして頭がいいの?逆に高校生クイズの優勝者とか、ノーベル物理学賞受賞者に向かって『頭いいね』って言って何になるの?ウサインボルトに向かって足早いねって言って何になるの?)」

 

「もう結婚しちゃおっか?」

 

「えっ、ちょ、ちょっと...(結婚?こいつはいきなり何を言い出すの?どうしたらこんな短絡的に結婚なんて発想に至るの?さすがに今回ばかりは信じられない。。。でも待って。本当にこの男は短絡的なのかしら。相手が何を考えてるかもわからないのに勝手に短絡的って判断することこそ短絡的かもしれないわね。もしこの男が本気で私と結婚したいと思っていたら...?確かにさっきから私のこと褒め倒しているし、機嫌を取ろうとしていたのかも。全ては結婚というこの二文字への布石だったのかしら。な、何この感情は?ひょっとしてこの私が、このたかがアホの発言に揺らいでるって言うの?いやいやまさか。落ち着きなさい私。)」

 

「え?もしかして本気にした?ほんとA子って可愛いね!」

 

「別にそんなことないよ~(可愛い?私が?それって嫌味?あなたいつもそうやって思ってもいないのに、こんにちは、とかお疲れ様です、とかいい天気ですね、みたいなノリで可愛いね、って言うの?イタリア人ナンパ師気取りなの?)」