茶色い人's ダイヤリーア

薬学生の現実逃避日記です。

総合理系の倍率3前後に絶対保つマン

僕の名前は総合理系の倍率3前後に絶対保つマン。職業は某大学受験予備校のチューターだ。今年も絶対総合理系の倍率を3前後に保つぞー!

 

「あの、私理系なんだけど、実はまだ志望学部を決めかねているの、、、」

 

おっ、早速出番のようだ。出撃!総合理系の倍率3前後に絶対保つマンー!

 

「だったら、北海道大学の総合理系なんてどうかな。」

 

「ほっかいどおだいがくの、そおごおりけい?」

 

「そう、北海道大学の総合理系。なんとなく理系にきてしまったけれど、自分のやりたいことがなんなのかまだわからない、志望する学部を決めかねている、という悩みを抱えている理系のみんなに、今とっても人気の学部なんだ。」

 

「え、そんな、私にぴったりの学部が!?でも、総合理系って、いったい何を勉強するところなの?」

 

「化学、物理、生物、数学、その他諸々だよ。雑に言うなら、何でも学べる。その気になれば理系科目に限らず、歴史を学ぶことだって、経済を学ぶことだってできるんだ。北海道大学の一年次の授業は、高校までと違って、いろいろ自由に選択できるんだ。自分の興味に従ったり、好きなお友達と相談して、一緒に授業をとったりすることだってできるんだよ。」

 

「すごーい!とっても楽しそう!でも、二年生からはどうすればいいの?」

 

「いい質問だね!実はここが総合理系の最も大きな特徴なんだ。一年次が終了した段階で、配属したい学部の調査が行われる。そこで見事希望が通れば、二年次からはその学部で勉強することになるんだよ。人気の学部では、希望する人数が定員を超えることがある。そのときは成績順に配属されるから、一年次の勉強を頑張った人ほど有利になるね。」

 

「そっか、、そしたら不安だなあ、、、大学の勉強って、とっても難しそうだし、いい成績なんてとれる自信がないよ。」

 

「最初は誰しもそう思うんじゃないかな。でも、実はそうじゃないんだ。北海道大学の1年次に学ぶ科目は教養科目と言われていて、2年次以降に学ぶ専門科目と区別されている。教養科目は高校レベルの復習や、その発展的な内容であることが多いし、真新しい内容でも、専門的な知識や特別なバックグラウンドを要することは決してないんだ。だから、良い成績をとろうと思ったら高校時代までと同様、授業にちゃんと出て、話を聴いて、板書を取る。そういった常識的なことさえやっていれば、十分すぎるくらいなんだ。どうだい?不安なことなんて、一切ないんだ。北海道大学の総合理系は、正に夢のシステムなんだよ。」

 

「それなら私にだってできるかも!入試で良い点を取れる自信はないけど、良い成績を取ることなら、私、得意だもん!先生ありがとう!私、北海道大学の、総合理系を受験する!」

 

 〜翌日〜

 

「僕、北海道大学の総合理系を受けることにするよ!」

 

「今、なんて?」

 

「え、だから、北海道大学の総合理…」

 

「考え直しなさい。」

 

「えっ、どうして?北海道大学の総合理系って、大学に在学し幅広い科目を学びながら本当に自分の興味のある分野を模索できる、夢のシステムのはずじゃ…」

 

「夢?…フハハ、フハハハハハハハハハハ!!!!!!面白いことを言う。誰に聴いたのか知らないが、夢なんてものはそこには存在しないよ。あるのは深い闇だけだ。まずな、幅広い科目を学びながら本当に自分の興味のある分野なんて、実際には探せやしないんだよ。GPAに囚われるあまり、人気のある科目は成績評価の甘い科目ばかり。楽をしたいという欲求にかまけて本質を見失う学生が大半なんだ。だいたい、高校に在学しながら学部を選べなかったようなお前が、大学に在学中なら自信を持って学部を選べる保証はあるのか?」

 

「いや、それはこう、先輩とかに聞いてリアルな実態を…」

 

「先輩に聞く?じゃあたまたま出会ったその先輩の話を聞いて、なんとなく良さそうな雰囲気な気がしちゃったらその学部にするのか?逆に忙しそうで楽しくなさそうだったら興味があってもその学部を諦めるのか?それは結局自分の意思で学部を選んでいることにはならないんじゃないのか。だいたいな、仮に行きたいところが決まったとして、そこに行けるなんて保証もないんだぞ?」

 

「…それはわかってます。でも、もう1年受験をやるつもりで頑張る覚悟はあります」

 

「もう1年受験?ハハハッハハー!簡単に言うようだが、今お前は進学校にいて、周りは受験モード一色だ。その中で自分を追い込み、受験勉強をするのはさして苦ではないかもしれない。何故ならそれは、受験生としてあるべき姿に自身を投影しているに過ぎないからだ。だが、総合理系は違う。周囲には学部が既に決まっていて、遊び呆けている人間が山ほどいるんだ。周囲が金、酒、性の誘惑に溺れているその中でお前は、本当にその意志を貫けるのか?それがもう1年受験することと同じとは決して思えない。」

 

「だったら…外界を遮断してでも、意志を貫く努力をします!」

 

「ウワハッハッー!立派なものだ。しかし考えてもみよ。1年次に外界を遮断していた人間は、2年次以降どうなるだろうか。既に出来上がっているコミニュティを、外から指を咥えて眺めるしかなくなる。1年次に我慢していた部活やサークルに今更入ろうとしたって、受け入れてもらえるとは限らない。仮に受け入れて貰えたとしても、一年遅れているという事実はいつまでも付いて回るに違いない。例え周囲が気にしなかったとしても、自分はなんとなく気後れしてしまって、結局何にも所属せずじまいだった、という事になりやしないだろうか?」

 

「くっ…先生は…何故そこまで北海道大学の総合理系を否定するんだっ…!?」

 

「とにかく君は、北海道大学の総合理系を受験するのをやめるんだ。いいかい?」

 

「はい…。」

 

 

総合理系の倍率3前後に絶対保つマンの活躍で、翌年もその翌年も、北海道大学の総合理系の倍率は3前後に落ち着いたという。