茶色い人's ダイヤリーア

薬学生の現実逃避日記です。

ギョギョッ!大人のお魚天国♡

「好きだとイワシてサユリちゃん…」

「タイしたもんだよ、スズキくん…」

2人は深海のベッドに横たわり、互いのエラとエラをピッタリと重ね合わせた。スズキくんのタイしたものは、既に水揚げ寸前だった。それは茹で上がったタコのようであり、同時にエビのような反り具合だった。

「イカして…くれるのかい?」

「だーめ。まだキスしかしていないじゃない。」

そういうとサユリはスズキのヒレを自分の養殖用生簀に当てがった。スズキは戸惑いながらも無粋に生え散らかした藻を掻き分けた。それは途方も無い作業に思えた。掻き分けても掻き分けても、既に掻き分けた藻と同じ藻を掻き分けているような錯覚に陥った。自分は単に同じ所をグルグルと回っているだけではないのか。渦潮に飲まれ踠いているに過ぎないのではないか。そんな一抹の不安がよぎったちょうどその時、ヒレが厚いものに当たるのを感じた。ハマグリだ。砂抜きの手順は心得ていた。

「イ、イシダイ!!!!!!!!!!」

サユリは短く声を上げた。スズキは急にヒラメいたようにこう言った。

「なぁに、上の口はアジの干物でも、下の口はサバの味噌煮じゃねえか…」

サユリは水辺に打ち上げられた。エラをパタパタさせ、身体をタチウオのようにしならせ跳ね上がった。しかしやがて来たる波に身体を飲まれ、再び快楽の海へと引き摺りこまれた。その夜は決して潮が引くことがなかった。

 

サカナサカナサカナ

サカナを食べると

アタマアタマアタマ

アタマが良くなる

 

サカナサカナサカナ

サカナを食べると

カラダカラダカラダ

カラダに良いのさ

 

だけど本当は、アタマなんて良くない方が、カラダにとっても良いのだろう。

 

朝目が覚めると、尾ひれにサユリのエラ遣いを感じた。まだぐっすりと眠っているようだ。

彼女の横顔を眺めながら、スズキはツブやいた。

 

「これがお魚天国か…。」